投資不動産物件の甘い罠・表面利回り / 不動産豆知識

投資不動産物件の甘い罠・表面利回り

不動産投資において『どのくらい儲かるか』を示す指標に「表面利回り」という言葉があります。表面利回りとは、購入金額の何%が年間で儲かるか。を表しています。
数式で表すと、下記のように書くことができます。

表面利回り=年間賃貸料/購入金額

例えば
1,000万円で物件を購入し、年間100万円で賃貸した場合は、表面利回りは10%となります。この場合は、
100万円/年×10年=1000万円
となり、10年後にようやく購入金額で使った1,000万円に戻るという計算になります。

しかし表面利回りは賃料と購入金額しか考えていない為、実際にはより多くの経費や支出、税金の納付などがあるため、一概に10年間で投資額を取り戻せるとは言えません。収入にも注意が必要となります。当然入居がない場合は賃貸料が入ってこない為、想定した賃料通りお金が入らないことも考えられます。

支出としては、修繕費・管理費・修繕積立金・固定資産・都市計画税・所得税・仲介手数料などがあります。一方、収入は賃料のみですので実際の利回りはもっと低くなることが予想されます。

これを加味して考えると、以下の式になります。

実質利回り=(年間賃貸料-(管理費・修繕積立金・固定資産・都市計画税)/購入金額

先ほどの表面利回りの例にあてはめて考えてみるとより顕著になります。

購入金額:1000万円
賃貸料:90万円/年 入居率90%
管理費:10万円
修繕積立金:20万円
固定資産・都市計画税:10万円

実質利回り=(90-40)/1000

なんと10%だった表面利回りが5%まで落ちてしまいます。実際の利回りをしっかり計算したうえでの判断が事業成功のカギを握っています。